高麗人参とその効能について

高麗人参とその効能について

高麗人参とは?

高麗人参の学名は、Panax ginseng C.A Meyerと言います。もともとは1843年にロシアのCarl Anton Meyerが命名したと言われています。高麗人参は、オタネニンジンというウコギ科の植物の根の部分を乾燥させたもので、別名「朝鮮人参」、「人蔘(にんじん)」と呼ばれることもあります。一般的な人参と似ていることから同じ種類の植物かと思われがちですが、野菜の人参はセリ科ニンジン属という別の種類の植物です。

高麗人参の歴史

高麗人参については2000年ほど前に記された書物の中ですでに記述があります。秦の始皇帝が高麗人参を万能薬として愛用していたのは有名な話です。日本に高麗人参が渡ってきたのは八世紀です。江戸時代の頃にはすでに高麗人参が日本でも栽培されていたようで、徳川家康も愛用していたと言われています。当時は一般の庶民にはとても買うことのできない高級食材だったのです。

高麗人参の効能

高麗人参は万能薬として知られています。美容だけでなく健康にも役立つ健康食品として、すでに2000年も前から認知されていました。歴史の中でそれほど長く使われ続けていることから、多くの人が高麗人参の効果や効能を認めていることがわかります。

高麗人参は生活習慣病の予防、ガン予防、疲労の回復などに用いられます。また、美容面においてもアンチエイジング、ダイエット、デトックスなどに効果があるとして注目されています。美容大国である韓国では、高麗人参を配合した化粧品が多く販売されていることからも、高麗人参が美容に役立つ植物として広く受け入れられていることがわかります。

さらに、高麗人参は認知症や記憶力が低下している人にも改善効果があることがわかってきました。日本も高齢社会が進んでいますので、これからはこうした症状の予防としても高麗人参がさらに用いられるかもしれません。

高麗人参がオススメの人とは

高麗人参は、アンチエイジングに興味がある人にオススメです。高麗人参にはサポニンというポリフェノールの一種が含まれています。サポニンには高い抗酸化作用があるため、人間の体の細胞が酸化して衰えるのを抑えてくれる作用が期待できるのです。

具体的には、肌のシミやシワを抑えてくれ、肌を白くなめらかに保つ作用があります。また、サポニンが新陳代謝を活発化することで、古い角質がどんどん新しい角質と入れ替わり、きれいなお肌を保つことができます。

さらに、加齢による疲れや働きすぎによる疲労などに困っている人にもオススメです。高麗人参の滋養強壮効果は、右に出るものはいないと言われるほど優れています。そのため、栄養ドリンクやサプリメントなどにも高麗人参が配合されているものが多いです。虚弱体質や病後の体力回復など、体質改善、体力増進を求める人には、高麗人参がオススメです。

効果の高い高麗人参の選び方

高麗人参と一口にいっても、実は高麗人参には種類が色々あります。現在では韓国だけでなく、中国、日本、アメリカやカナダなど産地も複数ありますし、それぞれの産地によって高麗人参の有効成分の含有量も違います。例えば、韓国産の高麗人参はサポニンが38種と言われていますが、中国産ではサポニン14種とかなり減り、さらに日本産だとサポニン8種にとどまります。

また、同じ産地の高麗人参であったとしても、土壌作り、栽培年数などの条件によって含まれるサポニン含有量が違います。そのため、高麗人参を選ぶ際には産地をまず確認して、できれば韓国産を選ぶのがオススメです。さらに、韓国産の中でも土壌や栽培年数など、良い条件のもとで栽培された高麗人参かどうかを確かめる必要があります。

また、選び方の基準の一つとして、有効成分の「ジンセノサイド」の含有率を確認する方法もあります。信頼できるメーカーが販売している高麗人参の商品には、ジンセノサイド含有量が記載されていますので、商品を選ぶ際の目安の一つとしてチェックしてみてください。

高麗人参の滋養強壮効果

高麗人参に健康効果があることは昔から広く知られていますが、高麗人参の効能の一つとして「滋養強壮効果」が挙げられます。では、高麗人参の滋養強壮効果とは具体的にどのようなものでしょうか?高麗人参はどのような人に効果的でしょうか?また、どのように摂取すればいいのでしょうか?

高麗人参の滋養強壮効果

滋養強壮とは、そもそも体の栄養になる、体が丈夫で元気になる、という意味合いがあります。その点で高麗人参にはサポニンという栄養素が含まれていて、サポニンを摂取することで新陳代謝がよくなったり、血圧を高めて安定させるなどの働きをしてくれます。さらに、高麗人参に含まれるアルカロイドという成分は体の免疫力を高める効果があるため、より健康的な体を作るのに最適なのです。

こうした高麗人参の栄養素を考えてみると、高麗人参を摂取することで滋養強壮効果が得られ、体が全体的に元気になることがわかります。高麗人参の滋養強壮効果を調べるための実験では、タクシードライバーに対して勤務の直前に高麗人参の粉末を摂る方法で実験が行われました。すると、ドライバーさんたちの実感として、眠気が改善される結果となりました。そして、血圧測定などの数値面からも、高麗人参を摂取したあとの長時間労働において、疲労回復効果があることが確証されたのです。

高麗人参はどのような人に効果的?

高麗人参は、免疫細胞を活性化する働きがあることから、免疫力低下によって引き起こされる様々な体の不調や症状を訴える人におすすめです。また、日本で最近増加傾向にあるED(勃起不全)に対しても効果を発揮すると言われています。高麗人参の効能として、血管系や内分泌系、神経系にもよい影響を及ぼすため、体の内側からEDの原因に働きかけて改善してくれるというわけです。

高麗人参の効果が裏付けられる

神戸大学が行った臨床検査では、乏精子症という疾患のある患者グループに対して三年間にわたり高麗人参の抽出物を投与するという実験が行われました。結果は、精子数の増加や有効率が70パーセント以上、また精子運動率の増加も66パーセントと、高麗人参が男性機能を高めるのに寄与するという結果となりました。

高麗人参の効果でアンチエイジング

高麗人参は万能薬といわれるほど様々な症状や病気、また健康増進に効くとされている食材です。では、高麗人参の効能の一つと言われるアンチエイジングについて詳しくご紹介していきます。

主要成分サポニン

高麗人参がアンチエイジングに効くとされているのは、高麗人参の主要成分であるサポニンの影響が大きいです。サポニンはまたの名をジンセノイドといいます。このサポニンはサポゲニンと糖から構成される配糖体の総称です。植物の根っこ部分、葉っぱ、茎などさまざまな植物でみられ、苦味やえぐみ、渋みといった不快な味を感じさせる成分です。

サポニンのアンチエイジング効果とは

このサポニンは、基礎代謝や免疫力アップ、血行促進といった健康維持に役立つ成分であるだけでなく、いわゆる生活習慣病や加齢による体の不調に体の内側から働きかけてくれる効果があります。具体的には、コレステロール値を下げたり、エイジングによる動脈硬化の原因となる脂質の生成を抑制する働き、また呼吸器系や消化器系の機能を高めてくれます。サポニンを含む食材は大豆、ヘチマ、黒豆などいろいろありますが、中でも高麗人参にはサポニンの含有率が非常に高いとされています。

アンチエイジングのための高麗人参の取り方

このように、若々しい生活を続けていくために大切な働きをしてくれる高麗人参ですが、では、どのようにして定期的に高麗人参を摂取するといいのでしょうか。高麗人参のメジャーな摂取方法は、高麗人参茶を飲むことです。冬のソナタで有名になった女優さんが頻繁に飲んでいることでも知られています。

高麗人参茶はノンカフェインなので、カフェインが苦手、あるいは事情で摂取できない人でも安心して飲むことができます。また、ホットでくつろいだ状態で飲むことで、ストレスを解消し自律神経の乱れを整えるのにも役立ちます。高麗人参茶と一口にいっても原材料や原産地などいろいろですので、品質のいいものを選んで飲むことをお勧めします。

高麗人参の美肌効果とは

高麗人参は韓国で多くの人に愛用されている健康食品です。日本でも冬のソナタで有名になった女優の方が高麗人参のお茶を飲んでいることでますます高麗人参人気が高まっています。特にこの女優さんの美しいお肌に憧れている人も多いですが、では、高麗人参に含まれる美肌効果とは一体どのようなものでしょうか。ここでは高麗人参で美肌を目指したい方に役立つ情報をご紹介いたします。

肌トラブルの原因とは

お肌が荒れる原因はいろいろありますが、基本的にはターンオーバーの不良や活性酸素の働きがシワやたるみの原因になっていると考えられます。お肌は何重もの層で出来ています。一番上の部分が表皮ですが、その下には真皮、さらに下には皮下組織があります。この一番上の表皮の部分だけでも実は4層にも分かれていて、お肌のターンオーバー(代謝活動)をするのはこの表皮の4層です。

皮膚の新しい細胞はまず4層の一番下部分である基底層(きていそう)から始まり、代謝活動をしながら細胞を押し上げて、最後には不必要になった古い細胞は垢となって剥がれ落ちていく仕組みになっています。つまり、このお肌のターンオーバーが28日周期でうまくいくといつでもイキイキした美肌を保つことができますし、逆にうまくいかなくなると肌トラブルが引き起こされるわけです。

高麗人参の美肌効果

では、高麗人参はこのターンオーバーとどのように関係しているのでしょうか。実は高麗人参に含まれるサポニンという成分は、お肌のターンオーバーを活性化させて新しい肌を作り出す助けになります。若いときはターンオーバーも正常にいきやすいですが、年齢とともに効果が弱まってきます。そこで高麗人参を摂取することで肌の代謝、血液の循環をよくし、体の内側から美肌へと導いてくれるわけです。

美肌には紅参がおすすめ

美肌を目指して高麗人参を摂取する際には、紅参(こうじん)と呼ばれる高麗人参がおすすめです。高麗人参は加工法によって呼び名がいろいろあるのですが、紅参は有効成分が最も凝縮された高麗人参の最高級品とされています。美肌にしっかりした効果を実感したい方はぜひ効能のより高い高麗人参を選んでくださいね。

知って得する高麗人参の三大効能

高麗人参の効果や効能については、2000年も前から文献が残っているほど歴史の長い健康食品です。では、高麗人参の効能について、おおまかに分けて三つの効果を解説します。

(1)脱水を防ぐ

高麗人参には体が必要とする十分な量の水分を保ち、脱水症状を防ぐ働きがあります。そしてこの働きが引いては老化や、老化に伴う脱水の危険から保護してくれることにもなるのです。高麗人参に含まれている成分には、せっかく摂取した水分がすべて排出されないように、必要な水分を身体にキープして脱水を防ぐ効果があります。

小さな頃は水分保持率が75%と言われていますが、年齢がいくと水分保持率はだんだんと下がっていき、お年寄りといわれる年齢になると50%程度にまで低下してしまいます。さらに、年をとると喉の渇きや身体が水分を必要としていることを感じにくくなるとも言われ、夏場などに脱水症状の危険が高まります。そのため、夏場には特に高麗人参は重宝されています。

(2)体を温める

高麗人参の別の効能としては、身体を温めて血行を良くする働きがあります。人の体には外敵や侵入物から体を守るための免疫機能が備わっています。ですが、この免疫作用を十分働かせようと思うと、ある程度の体温を維持している方が免疫力が高まるといわれています。そのため、体温が日頃から低い人や冷え性の人などは高麗人参を摂取して体を温め、血流を良くすることが大切です。

(3)内臓を活性化する

また、高麗人参には内臓の働きを活性化して体を元気にする作用もあります。どうして内臓の働きが活性化される必要があるのかというと、内臓の働きがよくなることで食べた物の消化吸収が改善されたり、心臓の働きを高めたり、あるいは各種ホルモンの分泌(性ホルモンやステロイドホルモンなど)にも関係してきます。このように内臓の各器官の働きがよくなると、体全体の機能もよくなり、元気になったと実感する人が多いのです。

意外と知られていない高麗人参の効果とは

高麗人参が健康にいいらしい、という知識は大抵の人が持っていますが、一体何にどういいのかと言われたらよくわからない方も多いのではないでしょうか。ここでは、高麗人参の意外と知られていない効果・効能について解説します。

高麗人参で視力改善?

高麗人参に含まれているジンセノイドという成分が、実は視力回復に優れた効果を発揮します。視力が悪くなる原因にはいろいろありますが、基本的にはいい視力を保つためには血流をよくする必要があります。そこで、ジンセノイドは抗酸化物質を豊富に含んでいるため、目の細胞の働きをよくしたり、血流をよくする効果があるのです。

さらに、血液の循環を悪くする原因には内臓の機能低下が挙げられます。その点で高麗人参を摂取することには内臓を元気にする働きがあるので、体の内側から血流をよくし、ひいては視力の改善にもつながるというわけです。

女性へのうれしい効果

高麗人参は女性が抱える様々な不調にも効果を発揮してくれます。女性が抱える問題としては、たとえば毎月の生理で血液が失われることがありますが、血液が失われると気力やエネルギーにも影響が出てしまいます。さらに、ホルモンの変化によって気分も変わりやすく、イライラしやすくなるという問題もあります。また、筋肉の少ない女性に多い悩みの一つが冷え性です。

こうした問題に対処するのに、高麗人参から作られたお茶や漢方薬などが役立ちます。高麗人参には気やエネルギーを高める効能、またホルモン系の働きを活性化させる効能があるので、結果として貧血や冷え性、月経不順、疲れやすいなどの症状に効果があることが認められています。

多汗症の改善

あまり知られていない効能の一つとして、多汗症に対する効果も挙げられます。どんな多汗症でも効くわけではなく、体や皮膚の機能低下から引き起こされる多汗症に対して効果を発揮します。特に多汗症の人は夏場が辛いことが多いので、全身の機能を正常に保って多汗症を抑えるためには、夏場の高麗人参摂取がおすすめです。

病気の予防に高麗人参

高麗人参は昔から万能薬として広く用いられてきましたが、実は高麗人参にはさまざまな病気や症状を未然に防いだり症状を緩和する素晴らしい働きがあります。

風邪予防に高麗人参

風邪は引いたことのない人を聞いたことがないくらい、一般的にかかりやすい病気ですが、高麗人参を普段から摂取することで風邪の予防に効果を発揮すると言われています。風邪は、ウイルスや細菌に感染して体が弱ってしまうことで起こります。風邪をひかないようにするためには、こうしたウイルスや細菌といった外敵と戦う免疫機能を高める必要があります。その点で、高麗人参は体を温める作用があり、免疫力のアップにつながります。

ストレス対策にも高麗人参

また、日常からストレスにさらされることが多い社会ですが、ストレスに対する耐性をあげるためにも高麗人参が役立ちます。通常ストレスを受けたときには大脳や視床下部などが刺激され、副腎から副腎皮質ホルモンというストレスを緩和させるための物質が分泌されます。高麗人参は、この副腎皮質ホルモンの分泌を高める効能があるので、結果としてストレス耐性を高めるのに貢献してくれるのです。

高麗人参でめまいの改善

高麗人参にはめまいを改善する効能もあるといわれています。めまいの原因はさまざまですが、高麗人参は中でも心身の疲れ、弱りからくるめまいの症状に効果があるということです。心身が弱ると、眠りが浅かったり、元気が出ない、動悸や息切れがする、さらにむくみや貧血症状などの特徴が出てきます。こうした症状に対して、高麗人参は体全体や内臓の働きを高め、めまいを引き起こしている心身の弱りを改善する働きをしてくれます。

ニキビ対策にも高麗人参

意外と知られていない点ですが、高麗人参はニキビに悩んでいる人にも助けになります。ニキビは皮膚免疫が弱っていたり、ニキビの餌となる皮脂が多く分泌されている状態のときに出てきます。高麗人参はこのうち前者の皮膚免疫が弱ってできるニキビに対して効果があります。高麗人参のもつ免疫機能向上という効能で皮膚の免疫が高まり、皮膚にいるアクネ菌の増殖を抑えることでニキビが改善されるというわけです。

高麗人参の種類別効能の違い

日本人の間では、高麗人参は一種類と思っている人が多いですが、実は高麗人参は使用目的によって加工方法が異なります。大きく分けて、高麗人参には紅参(こうじん)、白参(はくじん)、水参(すいじん)の三種類があり、それぞれ薬効成分の含有量や用途も異なるため、高麗人参を選ぶ際には種類の違いをよく知っておく必要があります。せっかく高麗人参を購入するのなら、最大の効果を得るために、自分が高麗人参を摂取したい目的に沿った種類を選んでください。

紅参

紅参は、生の人参を水蒸気で蒸したあとに、日陰や火に当てて乾燥させた高麗人参です。色は名前のとおり淡い赤褐色で、十年以上も長期保存が利くタイプです。高麗人参の中で最も健康増進効果があるといわれています。病気や種々の症状緩和、またよりよい効果を求める人には、この紅参を選ばれることをおすすめします。

白参

白参は、生の人参の皮をむいて太陽光で乾燥させて作られます。一年程度保存がきくと言われています。土作りに10年以上もかけ、土地にあるすべての栄養分を吸収するともいわれる高麗人参ですから、白参には非常に多くの栄養分が含まれています。

たとえば、強壮剤として、また興奮作用があるとも言われているので、EDに悩んでいる人におすすめです。また、ホルモン分泌の作用を高めるという効能から、更年期の不快な症状や不妊などホルモンの関係する不調にも最適です。ただし、血圧が高い人などはさらに血圧を上げることになるので、使用に注意が必要です。

水参

水参は土から掘ったままの高麗人参を指して使われます。生の状態で料理などに使うため、高麗人参の栄養分を丸ごと摂取できるのが魅力です。ただし、生のままでは保存が効かないため、大抵はこの水参を原料として高麗人参の加工品が作られていきます。

日本では少し手に入れるのが難しいかもしれませんが、生で使えるため活用できる幅が広く、料理やお茶、高麗人参酒などを作りたい人におすすめです。

高麗人参に期待できる効果とは

高麗人参は古くからその多種多様な効能から、万能薬として多くの人に愛用されてきました。では、高麗人参の効果・効能にはどのようなものがあるのでしょうか。

糖尿病

高麗人参に含まれている成分には、人参サポニンがあります。この成分は血糖値を下げたり、またインスリンの分泌を活発化させてくれる働きがあり、糖尿病にきくといわれています。糖尿病の患者さんはインスリン分泌が落ちることで症状が悪化しますが、高麗人参を摂取することで人参サポニンがインスリンに似た働きをしてくれるので、糖尿病の諸症状が緩和するのです。この分野の研究においても、患者さんの自覚症状である倦怠感や頭が重い感じ、めまいや肩こり等が改善されたという結果が出ています。

更年期障害

更年期障害の症状には、冷え性やイライラ、また顔のほてりや動悸など様々な症状があります。高麗人参はその点、毛細血管を拡張して血流をよくするという効能があるので、冷え性や肩こりなど血流の悪さからくる諸症状の緩和に役立ちます。

さらに、高麗人参の別の効能として自律神経を整えるという働きがあります。自律神経が乱れると先に挙げたようなめまいやイライラ、動悸やのぼせなどの更年期障害といわれる症状が出るため、自律神経を整えてあげることがこうした症状の改善につながるというわけです。

自律神経が弱っているタイプには心身が虚弱なタイプと、体力が十分あるものの脳や全身の神経が興奮状態にあるタイプの二つに分かれますが、高麗人参が効果を発揮するのは先に挙げた心身虚弱タイプになります。

二日酔い

高麗人参に含まれるサポニンは、タンパク質合成や肝臓細胞再生を促します。つまり、有害化学物質等により肝臓細胞が死滅してしまわないように歯止めをかけ、さらに体にとっての異物を分解・解毒する作用があるのです。そのため、二日酔いで痛めつけられた肝臓を保護し、アルコールの影響を緩和して、体を正常に保つ効能が期待できるというわけです。

栽培にとても手間がかかる高麗人参

栽培にとても手間がかかる高麗人参

健康増進に役立つさまざまな効能があることで知られている高麗人参。他の健康食品と比べても、高麗人参は抜きん出て値段が高いというイメージがあるでしょう。なぜそこまで値段が張るのでしょうか。それには高麗人参の栽培にとても手間がかかることが関係しています。

まずは土づくりから

高麗人参は、食卓によく上る野菜の「人参」とは全く別のものです。分類上は野菜の人参はセリ科ですが、高麗人参はウコギ科で、全く別の種類になります。高麗人参の栽培には長い時間と注意深い世話が必要とされます。まず土づくりから始める必要があり、土づくりだけで数年間はかかると言われています。高麗人参が育つためには、土は養分をたっぷり含んでいるだけでなく、通気性が良く、水持ちと水はけがちょうどいいバランスである必要があります。その条件に合う土づくりをするために、土の栄養バランスを崩してしまう化学肥料の使用は一切避けます。腐葉土を混ぜ込んで微生物が活動できる土を作ったうえで、そこに土壌改良に良いとうもろこしを植えます。とうもろこしは根から土の中の腐敗した有機物の成分を吸収してきれいにしてくれます。そしてとうもろこしが熟す前に、葉や茎ごと土の中にすき込んでしまうことによって、それがさらに有機肥料となって土に栄養を与えてくれます。このように、高麗人参の栽培に適した土づくりだけで2、3年ほどかかってしまうのが普通です。

収穫まで4~6年

栄養豊かな土ができたら、やっと高麗人参の植え付けに取り掛かることができます。しかし植えても1年で収穫できるわけではありません。高麗人参は、食用・薬用として摂取することができるようになるまでには少なくとも丸3年はかかります。4年目から食用として収穫できますが、高麗人参の特徴的な栄養成分であるサポニンの含有量は4年根、5年根と年が経つにつれ増え続け、6年根がサポニンの含有量が最も高くなります。しかし7年根以上になると病気にかかりやすくなってしまい、それ以上栽培することができなくなります。それで高麗人参は6年根が最も貴重で価値も高くなるのです。

栽培サイクルは約20年

この6年間の栽培期間中ずっと、病気にかからないように細心の注意を払って世話をする必要があります。6年もの間には大雨や日照りなど悪天候が重なることもありましょう。高麗人参農家は、そうした全てのものから作物がダメージを受けないよう注意深く育てていきます。その間、高麗人参は土壌の栄養素をありったけ吸収して自分の栄養成分へと変え、貯えていきます。そのため一度高麗人参を収穫すると、続く10年は畑を休ませ寝かせないと、同じ畑で高麗人参を栽培することができないほどです。土づくりで2、3年。植えてから収穫できるまで6年。そして畑を休ませるのに10年。つまり同じ土地では約20年に1度のサイクルでしか高麗人参を栽培できないのです。これで、高麗人参が高価なわけが理解できますね。

ジンセノサイドの驚くべき作用

そのようにして大地の栄養素をことごとく吸い上げ貯えた高麗人参の栄養成分の中でも、際立っているのがサポニンです。サポニンは植物一般に広く含まれている成分で、渋みや苦みの元となる成分です。サポニンと一言で言っても植物によって多くの種類があり、高麗人参に含まれるサポニン群(高麗人参サポニン)はジンセノサイドとも呼ばれています。高麗人参に含まれているジンセノサイドは約40種類が確認されていますが、それぞれのジンセノサイドには特有の薬理作用があります。主なものを挙げてみましょう。

・抗アレルギー作用

・精神安静作用

・心臓機能障害改善作用

・疲労回復作用

・数種の癌細胞に対する細胞毒性効果

・糖尿病抑制作用

・認知機能改善作用

・副腎皮質刺激ホルモン分泌促進作用

これは高麗人参サポニンが持つ薬理作用のほんの一部にすぎません。しかも特筆すべきなのは、他の植物に含まれるサポニンには大量摂取すると体に害になる種類もありますが、高麗人参サポニンにはそのようなことがなく、安心して摂取できる点です。まさに高麗人参が漢方の王様とも呼ばれるゆえんです。

高麗人参の水参、白参、紅参とは

高麗人参は朝鮮半島で採れたニンジンだと思っている方もいるかもしれませんが、実は高麗人参と、いわゆる一般的な野菜のニンジンは全くの別物です。高麗人参はウコギ科なのに対し、野菜のニンジンはセリ科です。

「高麗人参」の名前の由来

もともと「人参」と呼ばれていたのは高麗人参の方で、朝鮮半島とそのすぐ近くの中国の遼東半島にかけてが原産地といわれています。根が2本に分かれた様子が人の足のように見えることから「人参」と呼ばれ、江戸時代以前から日本にも輸入され薬用として用いられていました。ところが江戸時代以降、今でいうニンジンが野菜として一般的に輸入されるようになり、それまでに知られていた人参と形が似ていることから「セリニンジン」などと呼ばれていました。その後さらにニンジンが日本人の食生活に一般的になってくるにつれ、呼び方も単に「ニンジン」となりました。それに対し、もともとの人参は「高麗人参」と呼ばれ、区別されるようになったのです。

水参、白参、紅参

高麗人参はその加工法によって3つに分けることができます。「水参(すいさん)」「白参(はくさん)」「紅参(べにさん)」の3つです。水参は加工されていない、収穫してそのままの高麗人参の根の部分です。白参は水参の皮をむき、もしくはそのままで乾燥させ、水分の含有量を少なくしたものです。水分が少ないので水参よりも日持ちがします。水参や白参には、主に地中で4年間育った4年根が使われます。

紅参が最も貴重なわけ

それに対し紅参には5年根や6年根が使われます。収穫された高麗人参の皮をむかずに蒸し、その後自然乾燥させたもので、加工のプロセスで人参が紅色を帯びてくるためこの名で呼ばれています。ジンセノサイドを始めとする高麗人参の有効成分は皮付近に多いため、皮をむかないで加工する紅参は白参よりも栄養分が豊富に含まれています。特に6年根の紅参は栽培にも手間がかかり、栄養分も特に豊富なため、高麗人参の中でも最も貴重なものとされているのです。

高麗人参の栽培に必要な環境・条件とは

高麗人参は他の薬用植物と比べても栄養成分の点で抜きん出ていて、まさに「漢方の王様」と呼ぶにふさわしい健康食品です。原産地は朝鮮半島および中国の朝鮮半島に近い地域。昔から栽培が難しく、本場の朝鮮半島でも、もっぱら自生しているものが採取されていたようです。初めて栽培に成功したのは、本場の朝鮮でも1700年代に入ってからのことです。日本にも古来より輸入されており、高い薬効が知られていましたが、なにしろ希少であったため非常な高値で取引きされていました。

日本では江戸時代に栽培に成功

そんな折、8代将軍徳川吉宗は、当時もっぱら朝鮮半島からの輸入に頼っていた高価な高麗人参をなんとか日本で栽培できないものかと知恵を絞り、ついに松江や会津、信濃などで栽培に成功したのです。現在でも、世界中で消費されている高麗人参のほぼ7割は朝鮮半島および中国の朝鮮半島に近い地域で生産されていますが、日本でも引き続き島根県の松江市周辺や福島県の会津若松市周辺、長野県の東信州一帯などごく一部の地域で栽培されています。

栽培に必要な条件

このように高麗人参を栽培している地域が限られているのは、この作物が土と気候・環境を選ぶ植物で、条件を満たす土や環境が整っている場所がそう多くないのです。条件としては、土が肥沃で栄養豊かであることは第一条件になりますが、それだけでは高麗人参が育つ場所としては不十分です。高温もしくは多湿になると病気にかかりやすくなるため湿度が低い場所である必要があります。晴れの日を好みますが直射日光は嫌うので、小屋を建ててわらで屋根をしき、日陰を作ってやります。この小屋は高麗人参の苗が嫌う風を防ぐ役目も果たします。

滋養豊かな高麗人参

このようにして注意深く栽培・収穫された高麗人参は、有効成分の高麗人参サポニンを始め、さまざまな滋養成分に富んでいます。焼酎やブランデーなどのアルコールに数ヶ月漬けて高麗人参酒にして飲むも良し、アルコールが苦手なら高麗人参茶にしてもいいでしょう。体を内側から温め、元気にしてくれます。

高麗人参サポニンをバランスよく摂取するには

野菜のニンジンと高麗人参は、似て非なるもの。英語ではニンジンは「carrot(キャロット)」ですが、高麗人参は「ginseng(ジンセン)」で、全く別の植物です。そのため、野菜のニンジンと高麗人参では含まれる栄養成分が異なっています。野菜のニンジンにはβ-カロテンが含まれていることが知られていますが、高麗人参の栄養素には各種ビタミンを始めアミノ酸やアルカロイドが含まれています。とはいえ、高麗人参の最も特筆すべき栄養素はサポニンでしょう。

さまざまな作用を持つ高麗人参サポニン

サポニンは実はさまざまな植物に広く含まれている栄養素ですが、含まれる植物によって同じサポニンでも異なった働き・作用を持っています。たとえば大豆サポニン・アマチャヅルサポニン・ゴボウサポニンなどといった具合ですが、その中でも高麗人参サポニンは特に健康に寄与する働きが評価されています。高麗人参サポニンは、その組成によってさらに細かい成分に分類でき、それぞれが違った有用な作用を持っています。高麗人参サポニンの薬理作用は数え上げたらそれこそキリがありませんが、血圧調整作用・疲労回復作用・血流改善作用などはそのほんの一例です。

含まれる部位によって作用が異なるサポニン

この高麗人参サポニンは、根の表面、皮の部分に比較的多く含まれています。さらに言えば、太い根の周りに生い茂るように生えているひげ根の部分には、より多くのサポニンが含まれています。しかも興味深いことに、太い根部分に含まれるサポニンとひげ根の部分に含まれるサポニンとでは種類が異なり、それゆえ異なった薬理作用を持っているのです。

サポニンをバランスよく摂取

このことから、本来望ましいのは本根の部分とひげ根の部分、両方を丸ごと摂取することだと言えます。それによって体に有用な成分をバランスよく摂り入れることができると考えられるからです。しかし実際にはひげ根の部分を切り落として流通されている場合や、エキスの形で販売されていて、高麗人参の全体部分から栄養素が抽出されていない場合もあります。高麗人参製品を選ぶ際、この点に注目してみるのも良いかもしれません。

日本でも栽培されている高麗人参

高麗人参と聞くと、すぐに朝鮮産ということが思い浮かぶ方は多いようです。またの名を朝鮮人参としても知られていますし、実際原産地は朝鮮半島一帯、または中国と北朝鮮との国境周辺と考えられています。ところが、実は日本でも高麗人参を栽培しているところがあるというのは意外と知られていないようです。

「御種人參(オタネニンジン)」の名称の由来

高麗人参は日本では「御種人參(オタネニンジン)」としても知られています。この呼称の由来は、8代将軍徳川吉宗が、それまでは輸入するしかなかった高麗人参を日本国内で栽培するべく朝鮮から持ち帰らせた種を栽培して殖やし、その種(御種)をいくつかの藩に与えて栽培させたことから来ています。その中でも福島県会津地方や長野県の上田・佐久地方、島根県の大根島などごく一部の地域で栽培が成功し、現在もオタネニンジンの栽培が行なわれています。それぞれの場所によって、会津人參、信州人參、雲州人參などとも呼ばれています。

オタネニンジンの栽培条件

もともとオタネニンジンの栽培はとても難しいのですが、これらの地域は、いずれも昼夜の寒暖差が大きい、比較的涼しい気候、あるいは水はけのよい火山灰土壌、清らかな水など、オタネニンジンの栽培に欠かせない何らかの条件をいくつか兼ね備えています。そうした環境面の条件に加えて、それぞれの土地に応じてこれまで培ってきたノウハウ・技術が相まって、難しいオタネニンジンの栽培が可能になっています。

安心な日本産の高麗人参

日本産の高麗人参は品質の高さで知られており、海外にもかなりの割合で輸出されています。しかし最大のメリットは、やはり安心感ではないでしょうか。とりわけしっかりと情報を公開し、残留農薬の検査などを行なってから収穫・出荷している業者さんもあるので、そういったところから入手すると安心です。利用の仕方もいろいろです。そのまま参鶏湯(サムゲタン)に入れたり、はちみつやお酒に漬けてエキスをいただいたり。滋養強壮にいい高麗人参で元気を回復しましょう。

高麗人参の栽培大国、中国

高麗人参を健康食品として選ぶ際、やはり本場ということで、朝鮮半島産(韓国産)のものを選ぶ方は多いでしょう。ところが意外にも、世界で流通している高麗人参のなんと約70%は中国産だということをご存知だったでしょうか。中国では多くの高麗人参が栽培されていて、そのうちの約半分は韓国と日本に輸出されています。そして中国から輸入された高麗人参を使っていても、韓国で加工されれば韓国産、日本で加工されれば日本産と表示されて販売されるのです。

中国産と韓国産

中国産から韓国産に表示が変わった途端、高麗人参の価格は一気に跳ね上がります。中国で販売されている高麗人参の価格は、平均すると100gあたり約1,000円。ところが韓国産の高麗人参の中には、100gあたり約6万円で売られているものもあります。韓国産として売られている高麗人参の全てではないにしても、その多くは中国で売られている商品と同じものであり、包装を変えているだけという現状もあるのです。

中国産=粗悪品ではない

それで高麗人参を購入する際は、価格だけでなく、原産地がどこの高麗人参を使っているのか、どのように栽培・収穫・加工されているのかなどにも注目して選ぶとよいかもしれません。もちろん原産地が中国というだけで品質が良くないということにはなりません。中国で栽培されている高麗人参の中には、栽培方法や品質管理にこだわって作られた高品質の高麗人参もあります。

中国も高麗人参の原産地

また、高麗人参の原産地という点から見ても、北朝鮮と中国の国境地帯にある白頭山(長白山)周辺はもともと高麗人参が野生していた地域であり、高麗人参の生育に適した気候・土壌の条件が揃っています。白頭山の中国側のふもとでは、冷涼な気候、水はけの良い火山灰質の土壌を利用して多くの高麗人参が栽培されており、中には栽培方法などかなりこだわって作られているものもあります。

GAP取得の農家で栽培される高麗人参は品質が高い?

健康食品の中でも、その豊かな栄養成分から人気の高い高麗人参。一口に高麗人参と言っても数多くの種類があり、どの商品を選んだらよいのか迷ってしまうことも多いかと思います。

GAP取得の農家かどうか

選ぶ際の基準の一つとして、農業生産工程管理(GAP:Good Agricuitural Practice)の認証を取得している農家で生産されたものかどうかに注目してみるのも一つの方法かもしれません。GAPには、JGAP(ジェイギャップ)と呼ばれる日本独自のものと、グローバルGAPと呼ばれる世界基準のものがあります。この2つは別のもので、どちらが優れている、いないということはありません。

GAPとは?

誤解しやすい点として、GAPは農産物の品質を直接認証するものではありません。というよりも、農作物を作る際の肥料や農薬の使い方、環境に配慮することや労働の際の福祉といった面にまで踏み込んでいて、安全な作物を持続的に供給できる農家を認証するものです。それで、GAPの認証を取得している高麗人参農家では、最低限安全が確保されるような方法で高麗人参が作られていますよ、ということになります。そのような基準にしたがって高麗人参を生産している生産場であれば、ある程度の品質も期待できると考えてもよいのではないでしょうか。

高麗人参の3つの種類

高麗人参は加工法によって3つに分類されます。水参(すいさん)は収穫された根の土を落として洗ったもので、そのまま天ぷらにして食べても美味しいですし、サムゲタンなどの料理に入れて使うこともできます。水参を乾燥させたものが白参(はくさん)、水参を蒸した後乾燥させたものが紅参(べにさん)です。紅参に加工する過程で蒸すことと乾燥によって、高麗人参サポニン(ジンセノサイド)の種類が増え、抗がん作用や抗酸化作用、滋養強壮といった高麗人参の持つパワーが増幅されるので、紅参は高麗人参の中でも最も重宝されています。

高麗人参サポニン(ジンセノサイド)の驚くべき作用

高麗人参の特徴的な栄養素である、高麗人参サポニン。このサポニン自体は珍しいものではなく、多くの植物に含まれています。ただ植物によってサポニンの体内での働きは異なります。高麗人参に含まれるサポニン群はとりわけ種類も多く、体に及ぼす薬理作用もさまざまなため、特別に「ジンセノサイド」(高麗人参の英語名、ginseng:ジンセンに由来)と命名されています。

身体のバランスを回復させてくれるジンセノサイドの働き

ジンセノサイドには約40種類ものサポニン群が含まれており、これらのサポニン群はジオール系・トリオール系・オレアノール系に分類できますが、ほとんどはジオール系かトリオール系に分類されます。この2つのサポニン群には対照的な作用があり、ジオール系は副交感神経を、トリオール系は交感神経を活発にする作用があります。副交感神経は、身体を休め、リラックスさせ、元気を回復するための神経。対照的に交感神経は、身体を活動的に動かすための神経です。つまりどちらか片方だけの神経が働くのでは良くなく、両方の神経がバランス良く働くことによって健康な毎日を送れるのです。

意外なジンセノサイドの作用

高麗人参に含まれるサポニン群は種類が多く、それぞれの神経に働きかける成分が含まれているので、夜はぐっすり眠って疲れを取るのを助けてくれ、昼は血の巡りを良くして生き生きと活動するのを助けてくれるのです。お年寄りの方でも、「高麗人参を毎日摂っていると調子がいい」とおっしゃる方が多いのもうなずけます。さらにジンセノサイドの意外な作用としては、アルツハイマーなどの認知機能改善作用、神経回路網再構築作用なども持っていることが分かっています。

楽しみ方いろいろ

高麗人参はさまざまな形で楽しめます。6年根の紅参を乾燥粉末にしたもの。濃縮エキス、あるいはドリンクで。そのままの形のものはサムゲタンなどの料理に入れたり、お酒や蜂蜜に漬けて、などなど。自然の恵みを楽しみつつ毎日を健康に過ごせたらいいですね。

高麗人参の栽培が難しいと言われる理由

栽培がひときわ難しいとされる高麗人参。一体なぜそんなに栽培が難しいのでしょうか。

気候を選ぶ高麗人参

一つには、気候条件を選ぶ植物であることが挙げられます。高麗人参が育つのは、生育に適した湿度と降雨量を保つことができる地域に限られます。そして朝日は好みますが直射日光は嫌うため、栽培に望ましいのは北向きの傾斜地です。そして朝日だけを十分に浴び、その後は直射日光を避けられるように、工夫して小屋を作る必要もあります。

種まきも手間がかかる

高麗人参の栽培は、種を収穫するところから始まります。毎年7月ごろに真っ赤な蕾(種子)が熟し、それを収穫します。3年目の種は未熟で、5年目以降の種は固すぎるため、種まきに使う種は4年目のものが用いられます。種をまく苗床の土も注意深く準備されます。肥料は全て天然のものが用いられ、土のバランスを崩してしまいがちな化学肥料は一切使わないのが普通です。

収穫まで4年から6年

種をまいてから数ヶ月すると芽が出てきますが、5、6か月経った苗は一旦全て掘り出されます。それを前もって準備されてあった畑に植え替えるわけですが、メーカーによってはここで1割ほどの特に優れた苗だけを選んで畑に植え替えるところもあるようです。畑に植え替えられると、収穫されるまで4年もしくは6年植えられたままで、大地の栄養をしっかりと吸収します。山の傾斜地は寒暖の差が激しいところもありますが、その差がかなり大きいところで育つことによって逆にたくましい生命力を蓄えていきます。

日本でも栽培されている

高麗人参というと韓国産のイメージが強いですが、日本でも福島県の会津地方、長野県の佐久地方、島根県の大根島の3か所で栽培されています。このうち会津地方では2012年に高麗人参の農協が解散になって、会津の高麗人参の歴史は終わりを迎えるかというところまで行ったようです。ところが有志によって高麗人参の栽培が継続され、2017年にはそれ以来最初の収穫が見込まれています。